吐息を漏らし、唇を受け止めるマリアの腕を掴んでそのまま押し倒す。 覆いかぶさる男に驚いたように目を見開くが、その体はびくともしない。 押し倒した華奢な獲物を喰らい尽くすように噛み付くようなキスが、吐息ごとマリアを奪っていく。 荒くなる息の下、ようやく解放された唇で酸素を貪っていると濡れた男の唇が耳朶に触れた。 【マリア】 「ん……サム、何を……んんっ」 突如牡に変貌したサミュエルに戸惑いとわずかな恐怖が生まれる。 噛まれた耳たぶから甘い疼きとかすかな痛みがもたらされ、知らず首を振る。 【サミュエル】 「マリア……」 名前を呼ぶ吐息は熱い。 スカートの下から潜り込んだ男の手が太ももに触れ、思わずマリアは身を震わせた。 【マリア】 「あ……何を……ん、や……」 拒絶しようと開いた唇は再び男の唇に塞がれる。 潜り込んだ舌に流されて動きを止めると、太い割に器用な指先がマリアの服の胸元を押し開いた。 【マリア】 「ん、待って……やぁ……」 甘い拒絶は止めるどころか煽るだけで、首筋を通った男の唇が柔らかい胸のふくらみに触れた。 まだ柔らかい乳首を唇に含み、スカートの下に潜り込ませた手がショーツに触れた。 その瞬間、マリアの体に体験したことのない甘い波が押し寄せた。 けれど、それを恐怖が上回る。 【マリア】 「ん、だめ……お願い、まだ、だめ……です……」 力の入らない手で男の肩を押し返そうとするが、当然びくともしない。 【サミュエル】 「こんなにいい体目の前にぶら下げられて、だめってのはないだろ。 初めてじゃあるまいし」 |